犬神家の一族

d0105153_1919299.jpg ビザールな世界を語るうえで、やはり『犬神家の一族』は欠かせない。
 この作品には猟奇的殺人事件という設定を借りて、血の恐怖、スモールタウンの恐怖、森の恐怖など、さまざまな恐怖が盛り込まれている。そして、これらをおどろおどろしく描くのではなく、あくまで美しく、要所要所にスケキヨ、V字死体、岸田今日子など、こけおどし的な要素を織り込むことで唯一無二の世界をつくりあげている。
 また、戦後の混乱や親族間のドロドロした争い、屋敷の暗く冷え込んだ空気感と爽やかな那須の風景との対比がこの上ない効果をあげている。
 役者陣も主演の金田一役の石坂浩二から猿蔵役の寺田稔まで登場時間に関わらずそれぞれが素晴らしいインパクトを残している。

 物語としては、真犯人が自殺をするというとことん後味の悪い結果であるにも関わらず、見終わったあと不思議と青春映画を見たような爽やかな気分になるところがこの作品を凄いところ。
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by ichio1970 | 2007-03-09 19:19 | 1970
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