アメリカン・サイコ

d0105153_16292250.jpg ブレット・イーストン・エリスの同名小説の映画化。原作は、ねらいは分かるものの小説としての面白さにつながっておらず、ガッカリした覚えがある。
 それに比べこの作品は原作のエッセンスを残しつつ、まったく別物の作品としてつくり上げたところがクレバー。映画が原作を超えた珍しいケースといえる。
 
 主人公パトリック・ベイトマンは、若くして高級マンションに住み、ブランド品で身を包む会社役員。しかし、ホントのところは仕事など一切せず、同じような境遇のエグゼクティブと毎日遊びほうけているだけ。しかししかし、ホントのホントの彼の正体は身の毛もよだつ連続殺人者というお話。

 ジャンルとしてはサイコ・サスペンスになるんでしょうが、内容は完全にコメディ。80年代のバブル景気に浮かれていたヤッピーと、この映画がつくられた当時量産されていたサイコ物を茶化している。名刺バトルや、ヒューイ・ルイスのウンチクを披露しながら知り合いを殺すシーンはサイコではなくサイコー。メアリー・ハロンという監督、なかなかやります。
 美術も秀逸。キャラクターや世界観を登場人物に説明させるのではなく、彼らを取り巻く環境に語らせている。
 それと主人公を演じるクリスチャン・ベールが滅法うまい。役柄というよりも、この作品の意図を完璧に理解して演じているのがひしひしと伝わってくる。派手さはないけど、いい役者。
 
 すごく優れた作品ではあるものの、つくられたタイミングが若干ズレていた。もう少し早い時期につくられていたら、もっと評価されていたはず。
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by ichio1970 | 2007-10-15 16:30 | 2000
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