羊たちの沈黙

d0105153_15291222.jpg 90年代以降のサイコサスペンス・ブームの先駆けで、最高作の誉れ高い作品。
 また、「ハンニバル・レクター」という悪のヒーローを生み出した作品でもある。
 確かにクオリティは高いし、面白い内容だけれど、巷でいわれているほど完璧な映画とは思わない。
 いちばんのネックは、ストーリー本筋のゴールとなる殺人鬼 バッファロー・ビルのキャラが薄いこと。人を殺したうえに皮をはぎ、チ○コを後ろにまわして踊っているわりには恐ろしさが伝わってこない。このキャラに魅力がないと、いくらクラリスやレクターのキャラが立っていても、物語を引っぱるチカラが弱くなってしまう。
 それと、レクター先生はズバ抜けた頭脳の持ち主ということになっているが、これもピンとこない。単に情報を出し惜しみしているオッサンに見えちゃう。

 それでも、この作品が素晴らしいことには異議なしであります。
 まず、ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスの演技がよい。下手したらジェイソンみたいなモンスターになるレクターをイカれた人間として見ることができたのは、アンソニー・ホプキンスの演技力のおかげ。(瞳孔が開いたあの顔は怖すぎ!)
 そして、ジョディ・フォスターの演技がとんでもなく素晴らしい! 特に初めてレクターに会い、彼に過去を分析されるシーンはこの映画のクライマックスといえる。あれはレクターによる精神的レイプでしょ。

 『羊たちの沈黙』は、女性捜査官が主役という それまであまりなかった設定のせいか、ことある毎に女性に対する男の偏見や下心がクローズアップされている。クラリスは何回、視線や言葉で犯されたことか。
ジョディ・フォスターが『告発の行方』に出演した後で、この作品を選んだわけも何となく分かる。
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by ichio1970 | 2007-11-24 15:32 | 1990
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