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Uターン

d0105153_1892753.jpg オリバー・ストーンの最高作というだけでなく、クライムムービーの中でも屈指の傑作。

 借金まみれのろくでなしボビーが愛車ムスタングと共に迷い込んだのは、住民みんなが少しずつ狂っている砂漠の町スペリア。焼けつくような暑さと不条理な出来事の数々、迫り来る借金取りの恐怖で、ボビーだけでなく観てるこっちの頭もショート。イカれた自動車修理工とのやりとりは、本当にこっちまでスパナを振り下ろしたくなる。

 オリバー・ストーンは前作『ナチュラル・ボーン・キラーズ』で酷評を喰らったわざとらしい演出をグッと抑え、ノツコツと乾いたタッチでアメリカ大陸から滲み出す狂気を描きだしている。
 スペリアの住人はきっとどこへも抜け出せないスモールタウンの鬱屈だけでなく、砂漠に棲む地霊にも狂わされているのだろう。
 この作品といい、『悪魔のいけにえ』といい、アメリカ内陸部には別の世界があることを教えてくれる。
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by ichio1970 | 2007-02-14 18:10 | 1990