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エイリアン4

d0105153_1716090.jpg 大方のエイリアンファンの間で「3」と「4」はこっぴどくコキ下ろされているが、今改めて観直すと意外におもしろい。(とはいえ、エイリアンの恐ろしさを感じさせる得体の知れない不気味さと、生理的嫌悪感が発散されているのは1作目だけ)
 ジャン・ピエール・ジュネによるこの4作目は、2作目から失われていた生理的嫌悪感を取り戻そうとしている点でも好感が持てる。オープニングのヌメヌメ映像を観れば、ジュネがこの点を意識してつくっていたことが分かる。
 基本的なストーリーは過去3作とほぼ同じだが、内容はジュネが「エイリアン」というネタを使ったパスティッシュといった趣。だから怖くないばかりか、笑いを誘うシーンがところどころに盛り込まれている。リブリーがクローンで、エイリアンの母親になってしまう設定などは、ゲラゲラ笑いながらつくったのではないかと思うくらい。
 しかし作品自体はしっかりつくられており、SFアクションとして十分楽しめる。また、ダリウス・コンジのカメラが素晴らしく、お決まりのシーンにも深みを与えている。(プラス ウィノナ・ライダーがとことんきれい!)
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by ichio1970 | 2007-05-25 17:16 | 1990

エレファント

d0105153_16433167.jpg 『グッド・ウィル・ハンティング』『小説家を見つけたら』で路線を変えて‘やっぱりアンタも…’とガッカリさせられ、『サイコ』のリメイクで完全に終わったと思っていたガス・ヴァン・サントが見事に復活した入魂の一作。

 舞台はアメリカのとある高校の、ある一日。ここに通う生徒たちはいつもと同じように登校する。そんな中、アレックスとその友人のエリックはネットで購入したショットガンを持って学校へと向かう。

 劇的なストーリー展開や演出を敢えて排し、事件が起こるまでの僅かな時間を淡々と描くことで、現代社会の日常に潜む狂気をあぶり出している。
 そして技術的にも、事件が起こるまでの生徒それぞれの時間を重ね合わせる構成や、カメラを視線化した擬似ドキュメンタリータッチなどが、この作品が90年代以降のものであることをはっきり と示している。
 演出と共にハリス・サヴィデスのカメラも光る。
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by ichio1970 | 2007-05-18 16:47 | 2000

御法度

d0105153_214248.jpg 大島渚の目下最新作。世間的には評価が低いようだが、なかなかどうして面白い。全編に漂う閉鎖感と登場人物間の緊迫感がグイグイと物語の世界へ引き込む。
 到底妖しい美男子には見えない(怪しい少年には見える)松田龍平を筆頭に、ほとんどの役者は滑舌が悪く棒読みで何を言っているのか聞き取れなくて最初はイライラするが、不思議と途中から愛すべきキャラクターに変身する。
 浅野忠信は他の作品では見たことのない男の色気を発散しているし、武田真治の沖田総司も新鮮。最後のたどたどしい長台詞のシーンなど、かわいく思えてくる。
 また、冷え切った京都の夜に青白い情念の炎が漂っているような雰囲気は、近年量産されているJホラーよりも怪談的なオーラを生み出していて怖い。意図せずにこんな映画を撮る大島監督はやはり凄い。(この作品は新撰組を描いたもので、所謂ホラー映画ではありません。念のため)
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by ichio1970 | 2007-05-15 21:42 | 1990

スカーフェイス

d0105153_15541993.jpg デ・パルマ&ストーン&パチーノ トリオがつくり上げたギャング映画の傑作。
 『ゴッドファーザー』がギャングの世界を格調高く描いたA級品なのに比べ、こっちは徹頭徹尾ドロくさいB級路線。
 主人公も、『ゴッドファーザー』の見習い時代からクールだったマイケルに対して、トニー・モンタナはいつまでもチンピラテイストが抜けないカッペ野郎。とても同じ役者が感じているとは思えない。

 キューバから成功を夢見てアメリカにやって来たトニー・モンタナは、持ち前のガッツと行動力でメキメキ頭角を現す。調子づいた彼はボスを差し置き、コカインの元締めと直接取引をはじめる。しかし、自らもコカイン漬けとなり、次第に破滅の道へと進んでいく。

 (裏)サクセスストーリーをマッハスピードで見せる展開は普通ならスカスカに感じるはずなのに、そうなっていないのは登場人物それぞれのキャラが立っているから。だから、バイオレンスシーンもただのコケおどしにならずに凄みがある。
 ただ、ジョルジオ・モロダーの音楽とミシェル・ファイファーのダンスはショボくて、こっちまで気恥ずかしくなってしまう。
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by ichio1970 | 2007-05-01 15:54 | 1980