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エンゼル・ハート

d0105153_16364338.jpg ウィリアム・ヒューツバーグのオカルト小説『墜ちる天使』を映画化した、アラン・パーカーの異色作。

 浮気調査などを手掛ける冴えない私立探偵ハリー・エンゼルのもとに、ルイ・サイファーと名乗る謎の男から人捜しの依頼が舞い込んでくる。法外な報酬に目がくらみ、気乗りしない仕事を引き受けたエンゼルだったが、イヤな予感は的中、連続殺人事件に巻き込まれ、次第に謎の悪夢に苛まれるようになる…。

 この作品がつくられた80年代中頃は、アラン・パーカーもミッキー・ロークもデ・ニーロもノリまくっていた時期で、オリジナリティーのある世界観を作り上げている。現在のお三方を見ると、ファンとして悲しくなるばかり。
 アッと言わすようなショッキングシーンはないが、螺旋階段やエレベーター、換気扇、シャッターなどをの小道具を使ったイメージ映像が、観る者の恐怖心をジワジワあおる。
 また、舞台となる南部の町の描写も素晴らしく、雨と湿気が人を狂わしていく様がこっちにもジト〜と伝わってくる。
 幽霊やサイコキラーのようなビックリ系もいいが、この作品のような後に引く納豆タイプの恐怖映画ももっとつくってほしい。
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by ichio1970 | 2007-08-24 16:37 | 1980

未来世紀ブラジル

d0105153_16152049.jpg テリー・ギリアムの代表作というだけでなく、SF映画を代表する傑作。
 特にストーリーと美術はタメ息もので、テリー・ギリアムのあふれんばかりのイマジネーションを楽しめる。
 物語の前半はウィットに富んだセンスを散りばめながら軽快に進んでいくのだが、知らない間に悪夢的迷宮に迷い込んでいるという、怖い映画である。
 コーエン兄弟も『未来は今』で本作の前半部分のテイストとレトロなゴシック美術を借用(?)したが、あらゆる面でこちらの方が上。
 
 また、ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、イアン・ホルムといった役者陣も、嫌味な演技になる一歩手前の怪演で、それぞれいい味を出してる。さすが!
 
 この作品以降テリー・ギリアムのテンションは落ちる一方で、『ブラザーズ・グリム』を観たときは‘終わった’と思ったが、『ローズ・イン・タイドランド』で復調。あと1本でいいから『未来世紀ブラジル』クラスの作品をつくってほしい。
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by ichio1970 | 2007-08-17 16:16 | 1980

アイズ・ワイド・シャット

d0105153_1759221.jpg  トム・クルーズ×ニコール・キッドマン夫妻(当時)が夫婦役で出演し、オールヌードでF○CKシーンまで披露した話題作。そして、スタンリー・キューブリックの遺作。
 巷の評価はイマイチなようだが、かなりの力作。いや傑作といっていい。

 金持ち相手にうまくやっている内科医ビルはある晩、妻から‘見知らぬ水兵さんに本気でF○CKされたいと思った’と告白され動揺する。
 F○CK!とばかりに夜の街を彷徨っているうちに、あれよあれよと大富豪が集う謎の仮面乱交パーティーに侵入することに…。

 この映画が凄いのは、人物描写でも、役者の演技でも、乱交パーティーの描写でもない。これらははっきりいってイマイチ。(でも、乱交パーティーのオープニング儀式は妙に印象に残ります)
 弛緩した時間感覚、これがこの作品を特別なものにしているすべて。設定ではほんの僅かな時間を描いただけなのに、ものすごく長い出来事を見せられているような気がし、さらに途中から映画を観はじめてどれくらい時間が経ったりか分からなくり、こっちまで謎の空間に迷い込んでしまった感覚に襲われる。

 で、最後はニコール・キッドマンの「F○CKしましょ♪」というセリフであっけなく終わる。
 これがキューブリックの意図によるものなのか、それともただ単にお歳でユルくなっていただけなのかは謎のまま。F○CK!
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by ichio1970 | 2007-08-10 17:59 | 1990