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デッドマン

d0105153_16332787.jpg ジム・ジャームッシュ&ジョニー・デップという異色コンビによる、ロード&トリップムービー。

 仕事を求めて西部の田舎町に辿り着いた会計士 ブレイクが行きがかりで人を殺してしまい、殺し屋から追われる羽目に。途中、摩訶不思議なネイティブ・アメリカンの男に助けられ行動を共にするようになるが、追っ手は徐々に迫り…と、ストーリーはいたって単純。

 しかし内容が普通じゃない。とにかく最初から最後まで‘死’であふれかえっている。冒頭のブレイクが乗る汽車から不吉な空気が充満しており、町に着いていきなり目に飛び込んでくるのは棺桶の山。そして、ジョン・ハート扮する工場長が登場すると一気にストレンジ・ワールドへ突入。そしてその後は人が死んで死んで死にまくる。みんな、いとも簡単に殺したり殺されたりするため、だんだん目の前で繰り広げられていることが理解できなくなってくる。さらに全編に流れるニール・ヤングのギターが深いトリップへ引き込む。
 そんな中、ハッと我に返るのが、傷を負ったブレイクが死んだ子鹿を抱くシーン。死を悟ることではじてめ生を感じるという、何とも悲しく そして美しい映像美。

あと、この作品の序盤には蒸気機関車や工場なんかが出てきて、スチームパンク的なテイストがあったりしておもしろい。
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by ichio1970 | 2007-12-28 16:34 | 1990

ゾディアック

d0105153_15454229.jpg 60年代後半から70年代にかけてアメリカで実際に起きた連続殺人事件 ゾディアック事件を描いた、デヴィッド・フィンチャーによるサスペンス映画。
 フィンチャーには『セブン』以来、傑作とお仕事モード作品(それでも大抵の映画よりおもしろい)を繰り返す‘フィンチャーの法則’というものがあり、順番からするとこの作品は傑作になるはずだったのだが結果は……やっぱり傑作だった!
 
 この作品がおもしろいのは、迷宮入りした犯人捜しをするミステリーではなく、事件に巻き込まれて壊れていく新聞記者・刑事・漫画家に焦点を当てているところ。謎解きの魔力に取り憑かれ、人生を狂わせていく様がじっくりみっちり描かれている。
 フィンチャーはあくまでも事実をベースにしながら、娯楽映画としてもおもしろい作品に仕上げている。確実に次のステージに上がりました。
 それとハリス・サヴィデスの撮影が素晴らしい。この人は『エレファント』でヤ透明感のある狂気ユと呼びたくなる映像美を描き出していたが、今作では一転70年代の作品のような ささくれ立ったテイストを表現している。フィンチャーと共に彼も今後の活動が楽しみ。
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by ichio1970 | 2007-12-08 15:46 | 2000

猿の惑星

d0105153_12361144.jpg SF映画の最高作でありながら、一時はお正月になると時間つぶしのために放送される便利ムービーに落ちぶれていた過去を持つ。
 日本で本来のポジションを取り戻したのは、コーネリアスこと小山田クンの功績が大きい。
 この作品の最大の見せ場はラストなのだが、DVDのパッケージで堂々とネタばらしをしているので(パッケージの監修したの 浜村純?!)、ここでも少し触れることをお許しいただきたい。

 『猿の惑星』が素晴らしいのは、‘んなアホな!’という世界を観客に突っ込まれながらも最後まで見せてしまうパワーを持っていること。タイトルバックのド級にチープな宇宙空間や村にしか見えない猿の国も全然アリ。これは脚本・演出・役者が良い仕事をしている証拠。
 世の中に嫌気がさして宇宙旅行に出たテイラーだからこそ、ラストの叫びに重みが出てくるというもの。こういう人物描写って、最近のハリウッド映画に欠けている。
 あと、観る者の感情を完全にコントロールしてしまう ジェリー・ゴールドスミスによる音楽がとんでもなく素晴らしい。川口探検隊が使うのもうなずける。

 そういえば、猿の惑星にいる猿って英語を喋ってるんですね。テイラーと同じく、まったく気づきませんでした。
 興味のある方は、この後ダラダラつづくシリーズ作に手を出してみるのもなかなかオツ。
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by ichio1970 | 2007-12-04 12:38 | 1960